【ローズマリー➁】ローズマリーの逸話・伝承

ローズマリーは、記憶力・集中力アップ、殺菌などの多くの効能・効果があり、料理やハーブティー、美容など、様々な用途で利用できるハーブです。

昔から愛されているローズマリーには、さまざまな逸話や伝説が残されています。 まずはその歴史を紐解いてみましょう。      

 

魂を災いから守るハーブ

▲古代文明の時代から親しまれてきたハーブ、ローズマリー

 

ローズマリーの歴史は、古代エジプトにさかのぼります。

ローズマリーの香りは、古代エジプト時代から愛されていました。エジプトの王であるファラオたちは、先祖の墓にローズマリーを収めました。この風習は現在も、イギリスのウェールズ地方に残っています。ローズマリーは人の魂を未来永劫災いから守るとされ、棺に眠る死者の手にローズマリーを握らせたのも、故人の魂を災いから守るためとする説があります。  

 

また、ローマ人は、ローズマリーの葉が常に緑であることから永遠を象徴する植物として考え、墓の周りにローズマリーを植えました。北イングランドにはこの風習の名残があり、葬式に参列する際はローズマリーの小枝を持ち、埋葬される前の棺の上に投げるそうです。

 

ローズマリーの名前の由来

 

ローズマリーの名前の由来には諸説ありますが、ここでは聖母マリアが由来とする説をご紹介します。

聖母マリアがイエスを抱いてヘロデ王の追手から逃げる最中、よい香りのする白い花が咲く木に、着ていた青いマントをかけてひと休みしました。すると、白い花がマリアのマントと同じ青色に変わったそうです。

それ以来、その木は「マリアのバラ(ローズマリー)」と呼ばれるようになった、といわれています。  

また、学名の由来を説明します。ローズマリーの学名は「Rosmarinus officinalis」といいます。Rosmarinusは「露」「しずく」を意味する単語と「海」を意味する単語が組み合わさった言葉で、原産地である地中海地方の沿岸などにローズマリーが海に向かって咲いていることを表しているともいわれます。  

 

ローズマリーの和名は、万年郎(マンネンロウ)といいます。和名の由来にも諸説ありますが、「永遠の青年」ともいえるような若返りの力のある植物と考えられ、この名がついたとされています。  

 

若返りのハーブ

 

ローズマリーには、美容に関する逸話も残されています。

ハンガリーウォーターの物語(諸説ある中のひとつを紹介します。)

14世紀後半、中央ヨーロッパの国ハンガリーの女王エリザベート1世が70歳になったとき、手足がしびれる病にかかってしまいました。そこで、ローズマリーをアルコールに漬けこんだもの(チンキ)を洗顔や入浴に使ったところ、病が回復し、その上すっかり若返って美しさを取り戻し、驚くことに、隣国ポーランドの30歳も年下の王子に求婚されたそうです。

このローズマリーの化粧水は「ハンガリーウォーター」と呼ばれ、若返りの水として今でも世界中のハーブ愛好家に好まれています。

近年ローズマリーのアロマオイル(精油)は認知症予防に効果があると人気になりました。

今も昔もローズマリーは若返りのためのお守りのような存在として人々に親しまれています。

 

文学作品の中のローズマリー

 

1600年代に活躍したイギリスの劇作家シェイクスピア。シェイクスピア四大悲劇のひとつとされる「ハムレット」は、現代でも広く知られている有名な作品ですが、その「ハムレット」にも、ローズマリーが登場します。

 

「ハムレット」第四幕第五場で、オフィーリアは自分の兄をハムレットと勘違いしてしまいます。オフィーリアは次の言葉とともに、ローズマリーを「ものを忘れないようにする花」だとして、兄に贈ります。

 

これローズマリ、ものを忘れないようにする花よ。ねえ、愛しいかた。お忘れにならないでね。

(参考図書:「シェイクスピアの花」安部薫著 八坂書房)

 

このようにシェイクスピアは、ローズマリーを記憶力の象徴としてのハーブとして描いています。

 

また、シェイクスピア以前のイギリスの著述家トマス・モア(1478-1535)は、ローズマリーを「庭いっぱいにローズマリーを育てよう。ミツバチが喜ぶだけでなく、ローズマリーは思い出と友情のハーブだから」と書いています。

 

このように、イギリスの人々がローズマリーを記憶や思い出を象徴するハーブだと考えていたことが文学作品の中からも伺えます。

 

ローズマリーは世界中で愛されてきたハーブ

 

ローズマリーは、現代日本でもガーデニングや料理の香りづけなどに利用されている人気のハーブです。

そんな身近な植物が、はるか古代の時代から遠いエジプトやヨーロッパ各国でも利用されてきたとは、ロマンを感じワクワクしますね。

 

これらの歴史や逸話、物語に思いをはせながら、日常の暮らしにローズマリーを取り入れ、生活に爽やかな刺激や味わいをプラスしてみませんか。

 

ローズマリーの効能・効果、使い方はこちらをチェック!

【ローズマリー①】「若返りのハーブ」ローズマリーの特徴と利用方法    

 


この記事の監修:鈴木ハーブ研究所

鈴木ハーブ研究所 代表取締役 鈴木さちよ

ハーバルセラピスト(日本メディカルハーブ協会)

        アロマアドバイザー(ナード・アロマテラピー協会)